塾にはいつから通えば良いか?⑧
長引くコロナ渦で、TVCMを見ていると世の中の学習形態のトレンドはタブレット教材やオンライン授業に移行しているように見えますが、“これらがどれほど機能するのか?” 、長年、対面で教えている者としては疑問を持たざるをえません。こう書くと、「考え方が古い!」と言う声が聞こえて来そうですが、根拠もなく言っているのではありません。開塾以来、12年、今まで指導してきたお子さんが、タブレット教材やオンライン授業で学習した場合を想定して言っているのです。
学校の対面授業を受けていても、多くのお子さんが学年が上がるにつれ、徐々に授業から遅れていく現実を考えると、対面で伝わらないものがオンラインで伝わるとは到底思えません。集中力も理解力もあり、学校の授業をしっかりと理解できる一部のお子さんにしかオンライン授業は有効でないと思います。
社会人の働き方としてもオンラインは取り入れられていますが、「オンラインではコミュニケーションが難しい。」という声は多くあります。対面授業ですら、生徒の理解度を測るのは難しいことです。それをコミュニケーションの難しいオンラインで行うことがどれほど困難か、想像に難くありません。
タブレット教材はお子さんが一人で学習を進められるように設計されているとの触れ込みですが、解けなかった問題の解法や理由、論理プロセスを自力で理解できるお子さんはそう多くありません。多くのお子さんが論理の壁を自力で乗り越えられないから、学校の授業で遅れていくのです。学校の対面授業で論理を理解できないお子さんが、タブレットの説明だけで理解できるというのもありえない話だと思います。
結局、タブレット教材も、学習意欲と理解力を兼ね備えた、一部のお子さんにしか有効でないということになります。しかし、そのようなお子さんであればタブレットである必要はありません。本の参考書なり問題集なりを与えてあげれば、自力で学習していけるのですから、・・・。その方が、タブレット教材に月々数千円を払うよりよほど経済的です。
〇○○式教室、家庭教師の×××、△△△ゼミなどのTVCMでは、誰でも容易に学力が上がるように見えますが、そんな方法が本当にあるのであれば、もはや学校は必要なくなります。
そんな方法は夢物語であるからこそ、現場で奮闘する私のような人間がいるのです。
つづく。