塾にはいつから通えば良いか?⑤
今日は、「計算ができる=計算を理解している」ではないということを書かせていただきます。
何年か前のことです。小学2年生のお子さんが青木教育ラボに通っていました。そのお子さんは、“12-7=5”という計算はできたのですが、「ゆいさんはおはじきを12こもっています。れいさんはおはじきを7こもっています。ゆいさんとれいさんがもっているおはじきのちがいはいくつですか?」という問題が解けませんでした。これは引き算が“ちがい”を計算するための演算であることを理解していなかった事例です。
また、これは以前、塾業界の人から聞いた話なのですが、TVCMでお馴染みの○○式教室に通うお子さんのことを“○○小僧”と揶揄する言い方があるそうです。その理由は、○○式教室に通うお子さんは、「計算はできるけど文章題が苦手」だからだそうです。確かに私の経験でも、○○式教室から青木教育ラボに移籍して来たお子さんにそういう印象を持ったことがあります。
これらは、今日のテーマ「計算ができる=計算を理解している」ではないことの典型例ですが。これは実は学校の成績にも当てはまります。つまり、「学校の成績が良い=理解している」ではないということです。どういうことかというと、「3×4=12」や「12÷3=4」という計算ができれば小学校の中学年で学校の成績が悪いことはないと思いますが、ではこの計算の意味を理解しているお子さんはというと、それほど多くありません。
小学校の中学年以上で、「3×4」を二通りの足し算で表現すること、
「3×4=3+3+3+3=4+4+4」ができなかったり、
「12÷3=4」の意味を二通りに言葉で表現すること、
「12を3等分すると4ずつに分かれる」、「12の中には3の塊が4つある」ができなければ、すでに理解は遅れ始めていると認識された方が無難です。
「計算ができる≠計算を理解している」ことは、先ほどの小学2年生の例からも明らかです。青木教育ラボに入塾するお子さんの保護者の方から、「うちの子は計算はできるんですけど文章題が苦手で、・・・」というお話をよく耳にします。これは学校で四則(+−×÷)を習ったときに、その意味まで理解していなかったことが原因です。お子さんがスラスラと計算していれば、保護者の方は「うちの子に塾は必要ない。」と思われるかもしれませんが、お子さんが計算の意味までしっかりと理解しているか否かは、それなりの人が見なければ判断できません。
将来、算数・数学の文章題にも対応できる学力を身につけるためには、可能であるならば、少なくとも小学校低学年から“そのレベル”の指導者がいる塾に通われることをお勧めいたします。塾であればどこでもよいという話ではありません。