那須塩原で学習塾を開業して10周年。高校受験や大学受験で思う事、あれこれ⑱
最近、元塾生が地元、那須塩原で就職し働いている、という噂を耳にしました。彼は大学進学で一旦は東京へ出ましたが、彼の大好きな故郷、那須塩原で生きることを決めたのだと思います。
彼の高校入試は決して平坦でもなく容易でもありませんでしたが、彼と同様、指導者としても非常に達成感のある高校入試でした。
彼が大田原高校を第一志望に掲げ、青木教育ラボに入塾したのは中3の9月前半でした。それまでもどこか他の塾に通っていたようですが、思うように成績が伸びず、そちらの塾に見切りをつけて青木教育ラボに来たようでした。
その当時、青木教育ラボでは中3生に、4・8・11・1月の全国テストを課していました。入塾時点で8月テストは終了していましたが、彼の実力を測るため8月テストの問題を解かせたところ、5教科合計267点で、大田原高校E判定、黒磯高校C判定のレベルでした。残された時間は5か月余り、この間に5教科合計で100点以上上げることがミッションでした。
この時から、彼との二人三脚のような高校受験が始まりました。受験までに残された時間や志望校と実力とのギャップを考慮し、私は「週3回以上通い、英・数・理・社の4教科を履修すること」を最低条件として提示しました。国語よりも理科・社会に注力した方が得点が稼げるとの判断から、あえて国語は条件から外しました。これに対し、彼と彼のお母様は「週3回、英数理社の4教科履修」を決断しました。
その結果、11月の全国テストでは5教科合計289点、大田原高校D判定、黒磯高校B判定でした。しかし、これではまだまだ足りません。実際、学校の担任の先生には黒磯高校受験を勧められたようです。しかし、私の判断は違いました。入塾してからの彼のやる気と努力、授業中の質疑応答から見て取れる彼の理解力などを総合的に考慮して、「大田原高校に間に合う」と判断したのです。
11月には学校の三者面談がありましたが、黒磯高校を勧められても、「大田原高校を受験する。」と言って来るよう、彼に伝えました。こちらのアドバイス通り、彼は「大田原高校を受験します。」と担任の先生に言ったそうです。
そして、1月テストは5教科合計356点で大田原高校B判定。残りの時間でさらに伸びることを考えれば、私の判断は正しかったと言えます。これを裏付けるように彼は大田原高校に合格しました。
テストの点数や偏差値は、あくまで現在地の指標です。その後、その生徒の成績がどれだけ上がるのか、あるいはどれだけ下がるのか、といったことまでは教えてくれません。また学校や集団授業の塾の先生は、個々の生徒をそこまでつぶさに見ていないので、判断基準はテストの点数だけになってしまいがちなのだと推測します。それに対して、青木教育ラボの授業は個別対話形式ですから、生徒の理解度や潜在能力をしっかりと把握できます。そのため、テスト結果のその先を推測することも可能なのです。